漆器は海外で「JAPAN」(ジャパン)と呼ばれています。
ヨーロッパの王侯貴族に愛され、日本から輸出された漆器は、
外国の美術館や博物館にも多く収蔵されています。
【漆器とは】
ウルシの木から採れる樹液である”漆”が塗られた工芸品です。
しっかりと乾いた漆器は触れてもかぶれることはありませんが、
漆はさわるとかぶれることで知られています。
これは漆の成分であるウルシオールによるものですが、
ウルシオールには抗菌作用もあることが科学的に実証されています。
縄文時代にはすでに漆が使われており、
漆には特別な力があるとされ魔除として祭祀などで使われていたといわれます。
また、「漆器に入れていた食べ物や水は腐りにくい」と古くから言い伝えられてきており、
現代でいうと、例えばお正月のおせち料理などに漆器の重箱が使われています。
様々なところで漆は活用され、たくさんの漆器が存在しますが、
戦後、合成樹脂や合成塗料が塗られた”漆器”が開発され、
本物の”漆器”を見かけることは少なくなってしまいました。
現在、伝統工芸品に指定されている漆器産地は23か所あります。
◆ 津軽塗(青森県)
◆ 秀衡塗・浄法寺地塗(岩手県)
◆ 川連漆器(秋田県)
◆ 鳴子塗(宮城県)
◆ 会津塗(福島県)
◆ 鎌倉彫・小田原漆器(神奈川県)
◆ 新潟漆器村・上木彫堆朱(新潟県)
◆ 木曽漆器(長野県)
◆ 飛騨春慶(岐阜県)
◆ 高岡漆器(富山県)
◆ 輪島塗・山中漆器・金沢漆器(石川県)
◆ 越前漆器・若狭塗(福井県)
◆ 京漆器(京都)
◆ 紀州漆器(和歌山県)
◆ 香川漆器(香川県)
◆ 大内塗(山口県)
◆ 琉球漆器(沖縄県)
日本における三大漆器は「会津塗」「山中塗」そして『輪島塗』です。
なかでも抜群の知名度を誇る『輪島塗』は”堅牢優美”と言われ、
高級漆器として扱われています。
【輪島塗】
本物の輪島塗は、完成までに一年かかるといわれています。
加飾も合わせて「輪島塗124工程」と言われ、
“塗りだけでも36回”の塗りがあります。
塗りの工程の後は乾かし・研ぎと繰り返されて
丁寧に塗り重ねられていきます。
塗りは「下地塗り」「中塗り」「上塗り」と大きく三つに分けられます。
『下地塗り』には、
輪島で採れる「地の粉(じのこ)」と呼ばれる珪藻土を、
漆に混ぜて塗ることでしっかりとした土台ができます。
輪島で採れる珪藻土は風化があまり進んでおらず、
他の地方で採れるものよりも特に純度が高く、ガラス質で硬く、
表面には微細な孔が無数にあいていて漆がよく染み込むそうです。
また、
木地が破損してしまいやすい部分には、寒冷紗(かんれいしゃ)という
麻布を補強として貼っており、その上に漆が塗られていきます。
これを「布着せ本堅地」(ぬのきせほんかたじ)といい、
「地の粉」が塗りに施されることも含めて
輪島塗の”堅牢”さが生み出される要因となっています。
「地の粉」を使うこと、「布着せ本堅地」が施されること、
そして手作業で漆が塗られたものというのが”本物の「輪島塗」”です。
装飾には「沈金(ちんきん)」と「蒔絵(まきえ)」があります。
蒔絵や沈金を施すことによって、より”優美”な輪島塗となります。
【沈金】
刃物で文様を彫り、彫り跡に金箔または金粉を沈み込ませる技法です。
(金の代わりに銀を入れたものは沈銀と呼ばれます。)
塗りの厚い輪島塗だからこそ可能な装飾です。
彫り跡がそのまま仕上がりになるため、熟練の技術が必要とされます。
細かな「線」や「点」で彫られ、金箔で浮かびあがる絵柄は、緻密で繊細です。
漆器の艶やかな深い黒色や、はっとするような朱色と相まって
“優美”と呼ばれるにふさわしい装飾です。
【蒔絵】
漆で文様を描き、漆が固まらないうちに蒔絵粉(金・銀など)を蒔き、表面に定着させる技法です。
粉を蒔いて絵にするところから「 蒔絵(まきえ) 」と呼ばれています。
漆芸の代表的な装飾技法で、蒔絵の起源は奈良時代にまでさかのぼります。
正倉院宝物の金銀鈿荘唐大刀(きんぎんでんそうからたち)の鞘の装飾に用いられた
「 末金鏤(まっきんる)」が始まりとされており、今でいう”研ぎ出し蒔絵”にあたります。
その後、平安時代には「 蒔絵 」という言葉が使われるようになり、貴族の日記などに登場しています。
寺院や貴族の間では美しい蒔絵が施された品々は重宝され、蒔絵は日本独自の発展を遂げてきました。
他国の漆工の歴史と比べても、日本の蒔絵作品の質と量は格別素晴らしいものとなっています。
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